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秋谷

出かけるあてなどもなく、思いつくままに家を出て、海へと向かう。 「三浦の大崩壊を、魔所だと云う」 そのあたりを歩いているのだが、まだ、その気配は感じられない。

ホオズキ

信心深くもないのに今年も観音さんにお参りに行ったのは、四万六千日、つまり126年分という妙に大きな数にもあるが、あの鮮やかなホオズキの色を見たかったのだろう。 夏の日差しが収まった昼下がり、自転車にまたがり言問通りを東へ向かう。西の参道から入…

入れ子的な...

仕事柄、何かをシステム化するというのが多い。紙ではんこを押してなどというものをWebとかでやると少し整理できたり、便利だったりというものだ*1。時折、システム化するという行為自体をシステム化するということもある*2。 どちらであれ、一部が便利にな…

トンボロ

市営交通船で小さな隣島に行く。 ここにはトンボロというものがある。舞鶴の天橋立のように潮の干満で、島がついたり離れたりする地形である。砂州は南北に連なる。今日は東風が吹き、東の波が強い。左右で波の周期が異なり、妙な違和感がある。左右左右左左…

鼻と浦

この島の海岸線は鼻と浦でできている。凸が鼻に凹が浦である。浦に港ができ、人が住む。凸凹であり、島々が連なっているため、ここには、ほぼ波がない。*1 浦の海岸線に沿って舗装された道が続く、そこを自転車で走る。走っているとき、早く移動したいと思わ…

離島開発センター

今は公民館となっていて図書室がある。今日は雨で寒いので、そこで地元の書物を読む。ここであれば携帯電話もつながる。 25㎢弱で、2500人強住んでいるそうだ。5㎞四方なら1周なんてたやすいと思っていたのだが、海と陸が入り組んでいてヒトデ型をしていてか…

昼寝

道は舗装されているが、離島なためか誰もいない。鬱蒼と弦の絡まる木々の間を自転車を押しながら登りつめる。 城岳山頂、入り組んだ海と港と山と、それだけ。 鯵のいりこを取り出してかじり、小瓶に詰め替えた芋焼酎を口に含む。何だか眠くなってきた。

夜と朝

夜、バスに乗った。 狭く膝を抱えるようにしながら、知らない土地へと連れていかれる。朝、大きな橋のたもとに着いた。何かから解放されるような気分がした。 バスは駅に着いたのだが、駅だけ妙に新しく落ち着かない気がしたので、各駅の電車に乗ることにし…

濹堤

浅草で釜飯を食べて、吾妻橋から水上バス。 えらい陽気で、濹堤の桜も散ってたけれど、 松屋で買った酒を1杯やりつつ、 船に揺られて、夕日を眺める。何だかうとうとと してきて、水面に映る光の道の上を歩いてきたい気分にかられる*1。 *1:なにがしたいっ…

墓見

花見より墓見で、 それより軽く1杯飲みに行くためで、 ベースを抱えたまま、谷中銀座で酒と惣菜を買込み、 谷中霊園へと向かう。上方落語の天神山のように、 さしで墓と飲むわけではないが、夕闇に舞う桜もなかなか心地よい。

あいかわらず

ラジオからはむやみに元気を出させようとする音楽が流れる。搾り取られるような気がする。大事であることはわかるのだが、周囲の異常な加熱は、淡々とすることを助長する。 ねじを巻こう。晩ご飯を作ろうと思い、シンクの下をのぞく。高野豆腐と麻婆豆腐のソ…

湯島天神

午後の2時、陽気に誘われ、自転車に乗る*1。蓮の刈り入れの進んでいる不忍池を横目に、湯島天神へ。 梅祭りも終わり、ひとけも少ない。鳥居をくぐり、牛の頭をなでる。梅の甘い匂いが漂い、空がすっと澄んでいて心地よい。もっと匂わないかと鼻先を梅の花に…

棚からセーターが落ちていた

出先で竹橋にいたのだが、地下鉄もJRも動いていないので、てくてくと歩いて家路につく。家につき電気をつけると棚から、セーターが落ちていた。それから、ガスの元栓をあけてご飯を温める。 いつもどおりなのが、何だか何ともな感じではあるのだが、何もない…

階層

久しぶりに夢を見た。たぶん朝だったのだろう。カフェオレをつくろうと思い、冷蔵庫を開けて牛乳をとりだす。カップに注ごうとすると、牛乳はゲル状になっていた。ヨーグルトとなってしまったのだろうか、などと思いつつ、パックの中身をシンクに流す。まっ…

朝4時に起きる。親指の爪のような月が見える。真っ暗な闇の中、友達と車で雪山へ向かう。高速道路には果てしなくネオンが連なり、時折、煌々と照らされた工場を通り過ぎる。朝日が上り、妙義山の荒々しい岩肌を赤茶色に照らす。碓氷峠のトンネルを抜けると…

蝋梅

ことこと電車に揺られて2時間半、山歩き1時間。宝登山頂、1月の空は澄みきっている。遠くが見える。暖かな西日が射す中、石に腰掛け文庫を開く。山側から風がそよぐと蝋梅の甘い香りがあたり一面に漂う。絵空ごと、本のタイトルのように、夢見心地になる。

休日

友人宅に行き、2年ぶりくらいで麻雀をした。 どうもわりと強いらしく、勝ってしまった。 勝っても負けてもいいものだとは思うが、 負けず嫌いなのだろう。期待に応えたのでよしとしよう。 子供連れがきていた。よく食べるし、よく動くし、何だか見ていて飽…

昌平橋

神田川の橋の上で中央線が総武線と交わり、その向こう側から丸ノ内線が顔を出す。つれづれな交わりから、時折この近くで楽器の練習をしている。年を越し半年経とうとしているので、暫く続くのだろう。 年初「http://mienoumi.com/cha-top.html」で飲んだ。そ…

あけましておめでとうございます。

今年は「捨」。 もう少し身軽に今に集中しよう。 くよくよと考え過ぎなのだ。続ければ続くのだ。 何だかやっと年明け気分になってきた。 ことしもよろしくおねがいします。

いつもの

おばあちゃんの家に行く。掘りごたつ。テレビが付いていてお正月番組をやっている。久しぶりに見るもんだから、齧りつくように見てしまう。何やってるんだか、なんて思うのだけど、そんな時間がいいのかもしれない。 着物でめかしこんで、帰省中のN氏とラン…

気侭な午後

髪を切りにいく。近所のお蕎麦屋さんで牡蠣せいろ。それから、雑貨屋さんに立ち寄る。「THE COVER NIPPON」「Rin」「粋更」「J-PERIOD」何を買うというわけでもないのだが、ふらふらと見て回る。 「わざわざ表参道まで髪を切りに行かなくてもいいのに」など…

おしゃべり

日比谷で飲んだ。しゃべることがうまい人がいると気楽で、それだけで何だか楽しい(そんなことを忘れてしまっていたかのような気さえする)。気構えせずにおしゃべりできるラインを引いてもらえたような感じだ。 もともと、そんな感じで、たまには勉強でも、…

揺らぎ

先入観というのは難しい。そこに焦点があっているとその差が、その人となりとして認識される。まともそうに見えるものだから、その適当さや不可思議さが目に付くことがある。そこで、不要な誤解を避けたいため、先に適当さを主張したり、なるべく事務的に接…

何だか難しい

1+1が2であるか、Sympathy For The Devilを感じられるか。ともかくインタビューを受けることは搾取されている気がする。 理解をするということは類似する知識や知覚の鋳型があって成立する。知識があっても、わからないものはわからないということもある…

その気

人にものを頼むときに面倒だと思うことが多い。些細なことであれば「そんなことなら私がやらないでも」となり、少しでもわからない部分があったり、処理能力を上回るのを感じると「できません」となる。尤もではあるのだが、大概のことは試行錯誤の領域が多…

ふと

昼休みに河岸の方まで歩く。淡々と歩く。ずっと水色な秋の空が、遠く川下は霞んで見えない。これ以上ふわふわにならないんじゃないかというくらい、たわわな薄の穂。 それだけでも頭がいっぱいになる。 それ以上の圧倒的な感覚、自分すら消し飛んでしまうよ…

疲れたからって不機嫌じゃね

「人を守ってこそ自分を守れる」 そんなセリフを思い出す。 映画見ながら。 今素直になれたり笑ったりできたら それでいんだよね。

ありがたいもんだね

帰りがけ10時ごろ、御徒町の交差点を自転車で通りかかったところで「XX」と名前を呼ばれた。自分なわけないでしょ、なんて思いつつも振り返るとK氏がいた*1。「おぉースーツやん」などといいながら大島ラーメンへ行き餃子にビール。仕事のことをつらつ…

わかっていない

ふとした拍子に、人からもらう言動が、思いも寄らなぬところに新しい光をあてることがある。 何をどこまでわかっているのかいないのか、それはわからない*1。ただ、そういうものは大事にし続けたいものだと思う。 *1:すぐにわかる部分やできることはある。で…

ちいさな喜びをちりばめる

実家に電話をして夢で実家の犬が逆立ちをして歩いていたと言って笑う。友達に会ってお酒を飲んで馬鹿笑いする。夜中にyoutubeで米朝の天狗裁きとか枝雀の地獄八景亡者戯を見ながらくすくすと笑う。来週の根津・千駄木 下町まつりのちらしによると談春が出演…