トンボロ

市営交通船で小さな隣島に行く。
ここにはトンボロというものがある。舞鶴天橋立のように潮の干満で、島がついたり離れたりする地形である。砂州は南北に連なる。今日は東風が吹き、東の波が強い。左右で波の周期が異なり、妙な違和感がある。左右左右左左、だんだんとその周期にな慣れてくる、いつの間に玉石を積み上げたのだろう、島は繋がっていた。
島を渡り居心地のよい岩をみつけ、横になり、遠くの島を眺めていてふと思ったのだが、たいがいどうでもいいのだなと(どうでもよくないこともなくはないが)。旅先の景色で一気にキャンバスを塗り替えることで、日常に量産した落書きを消し込む。


離島と言っても住人すら居ないと観光客目当てな匂いが鼻につく。名所は少なく、そこそこ人が住んでいる方が居心地よい。商店に行くとイワシすり身などの天ぷらが置いてある。これがかなりうまい。焼酎のあてにはもってこいである。*1

*1:ソーセージやテリーヌは食べるのに、さつま揚げや蒲鉾を厭う人が時折いるが、どのへんに起因するものなのかがよくわからない。