階段

護良親王の墓

その階段の向こうに何があるかわからないのに階段を上り続けることには怖れが伴う。この苔むした階段に愛着がないわけではない。このあとの階段や上る過程を居心地よくしようとする。
だが、その道自体の存在可否というものは、やすやすと恐怖を乗り越え、僕は享楽の中に身をうずめていたくなる。
 
息が苦しくなってきたらちょっと笑って、それから考えればいいのさ。