下席の初日
世間一般と同様に連休である。
非日常の中の日常に触れるのもいいだろうが、
日常のちょっとした非日常の方がそそられる。
一昨日飲んだ帰り、寒くて、ふらふらだったので自転車を置いてきてしまった。バスに乗り、その自転車を取りに行く。プラプラと自転車に乗りながら、のぼりを見上げる*1。「お、そういえば、5時からだったっけ*2」てな感じで「鈴本演芸場」に立ち寄る。
今日は、下席の初日*3。
二つ目昇進の方もいるとのこと*4(いやね、僕にはほぼ関係のないことなのだけれど、250人の落語協会は170人が真打ちで、60人が二つ目で、前座は20人しか居らず、その20人のうちの1人とか言われると、何だかなぁ、めでたいもんだと思ってしまう)。
馴れてきたせいだろうか、細かなところが気にかかったり、あぁそうなんだと思ったりする(こわがりなので馴れるまでにひと手間要る)。
- ビールとつまみを片手に前の方の席へいそいそと
「そば清」をやっていた。あれ?これってね?お餅の話じゃ?そう、上方落語の「蛇含草」と同じストーリーなんで。でも、こう、扇子で蕎麦を食べる様、控えめにしつつも「するするっと」食べてしまう様、笑けてしまう。
- 売店の最中のアイスクリームをぺろぺろと
「たぬさい」をやっていた。あれ?これってね?なんでサイコロなん?江戸落語では狸はお札に化けるはずじゃ。そう、ここは湯島に近いからで、天神さんにちなんでストーリーが「たぬさい」なんだなぁ。この子狸、少しハラハラとしてしまうのだが、その健気なかわいさに笑ってしまう。
ふふふふ(落語と言うものは、落ちがわかってても?わかってた方が?楽しめるもんだなぁ。初めて聞いてたら少しハラハラじゃなくてドキドキだね)。
1階の出口、前座の若者が太鼓を叩いて送り出してくれる。初日だからなのだろうか。景気良さげに高々と鳴る。寒い息に心躍る。