年を重ねるということについて

色褪

昔馴染みが近所に立ち寄るとのことで、
訪ねてきたついでに散歩した。
 
じゃあ、南の鳥居のとこで。
 
裏の神社には、大きな木が多い。雨が降りそうな曇り空。
雨曇りの下鴨神社で待ち合わせをした際に遅れたことを謝られたのだが、いまいちはっきりとは覚えていない(10年ほど前のことだ)。
 
もう、黄や紅に染まってきている。「古本祭りの時だから、それは夏だね」と答えた。神社の端の上の方、伏見稲荷のように連なった鳥居があり、その先に乙女稲荷神社がある。「もう、乙女じゃないよね」「ふふふ、そうかもね」と笑って返す(返す言葉が少し難しい。「そう?気持ちは別でいんじゃないの?」喉の奥に言葉を留めおく)。
 
感傷的だね。でも、今より前を見なきゃ。
そんな気持ちを後押しする枝雀の1話「おもいでや」
 

 
銀杏を匂いのする黄色い道を踏みしめながら大学まで行き、その後、僕は池之端門まで歩き、弥生美術館に立ち寄る(気持ちの残り香を求めるように)。
安野モヨコ展 レトロモダンな世界
フライヤーにある「ポショワール(版画のようなもの)」での着せ替えバージョンがちょっといい。
 
いいじゃん、別に(南に鳥居のない神社だってあるのさ)。