自転車ぶらり
- 上野公園を過ぎ、神田を過ぎる。
(モネのジヴェルニー、鶴岡八幡宮、行ってみたいベトナム。アオザイの白は、蓮の白なのかな)
(中高の思春期の記憶がよぎる)
- 鎌倉橋を過ぎる。
(何で鎌倉なんだろう。鎌倉は好き)
- オアゾに自転車を止める。
(あぁ、丸善はここなんだ。あの時なんであんなに怒られたんだろう。ちょっとした勘違いも許されなかったんだろう。僕の隙が多すぎたんだろうな)
- 新丸ビルの地下を通り丸ビル側へ。
(ドレステリアに寄りたいけど、今日は傘。何で向こうに渡る信号無いの?)
- コンランショップで傘を視る。
(取っては眺め、取っては眺め。赤と黒どちらがいい?見かねた店員が声をかけてくれる。鏡の前で開く。想う。スーツにはやっぱり黒)
- Excelカフェに入る。
(名前は妙だが、ドトール系列だから煙草が吸える。カマンベールチーズとパストラミのサンド。バジルの葉が絶妙。これにはアイスコーヒーなのだ)
- 正面に駅舎を見えるように座る。
(赤い煉瓦。パリの駅舎。旅行で初めて1人で喫茶店に入ったときを思い出す。ルーブル美術館より、オランジェリー美術館よりも、ポンピドゥーセンターの方が好きだった)
- 1階に花の展示。藤の花が咲く。
(亀戸天神に行きたいな。まだ咲いてないかな。船橋屋に寄りたいな)
- お堀の方へ自転車を走らせる。
(いつもは車の通り。今日は自転車専用道路♪今度、一周してみよう)
- 日比谷公園へ。噴水を見つけた。
(野音は素敵だったな。読んでる本にここの夜の噴水が出てたな)
- 気持ちがいいので芝生で昼寝。
(水の音、木々のこすれる音、遠くに聞こえる人の声、青い空、暖かな日差し、東京のオアシス。広げた本は日差しよけ)
- 日差しが陰って来た。
(パンツが汚れてる。嬉しい時には嬉しい服を何度も着てしまう。だから傷みやすい。でも、これにはたくさんの思い出が刻まれてるんだよ。何気ない言葉の楔たちを振り払うように服をパタパタとはたく)
- 北上。今日は何を食べよう。おかちまち。
(「おかちまち」という音の響きはかわいらしい)
- 松坂屋を抜け、お気に入りの回転寿司。
(何でも1皿136円。サーモン、アマエビ、ハマチ、バチトロ、穴子、玉子、あら汁。この界隈では1番おいしいと思う)
お腹いっぱいの僕を乗せ、自転車は家路を辿る。
今日、小さな幸せたちに癒された一日。