浅草

薄茶がベースの黒竹の柄に緑の角帯

夏の彩りを求めて、週末に浅草を廻る。
まずは、雷門のそばのかづさやさんへ。「こんにちは。男ものの浴衣を...」おばあさんがいろいろと見せてくれる。長く着たいものなので観光用の「あれ」はやめて(それならユニクロに行くさ)、店の奥へと連れてって貰う。身長から換算すると身丈150は欲しい(外国人が多いせいか以外とあるのだ。180-30=150)。飽きない模様が良いと言うと、青く大柄な吉原繋の模様を勧めてくれる。(なかなかいいじゃない♪)洗うと風合いが良くなるとのこと。帯も少し見せてもらう。角帯、兵児帯に、絹、綿、ポリ、色に模様に様々ある。(献上博多織がいいかな。正絹はまだハードルが高い)
 
寄り道をしつつ、仲見世通りを抜け、伝法院通りに入る。ビールと牛スジ煮込みが漂う界隈を抜け、五重塔通りへ。ちどり屋さんへ(今日のメインターゲットだ)。サイズはひと通り揃っている。畳んで積み重ねてある浴衣を見せてもらう(巧く取らないと皺が寄り、重ねてある重みで折り目がついてしまう)。表が濃い青と水色の四角い模様で裏には縦縞(一枚なのに裏地が異なる柄)。薄茶がベースの黒竹の柄(何だか涼しげ。麻が入っている)。(この2ついいな)
 
西参道を折り返し、富士屋さんへ。気のいいおじいさんが、いろいろと勧めてくれる。「ちょっと羽織ってみ」と言われ、袖を通す。茄子紺一色だが、麻が入り織りが少し模様になっている(あ、袖は上から通すんだ)。献上博多織の碧色の帯を出してくる(ふふふ。結構似合ってる?)。「いろいろ見て決めたいので」少し熱を冷ます。
 
高砂屋さんで、幾つか羽織り、梅園へ。
みつ豆にはあんこは必須なので、あんみつ。季節柄、バニラアイスも欲しいので、クリームあんみつ。あ。白玉もある、でもセットにはできない(我ながら欲張りだな)。あ、もう、5時半だ。気になったところをもう1度廻る。
 
ちどり屋さんで、薄茶がベースの黒竹の柄を羽織る。帯を幾つか出してもらう。この濃い緑。何だかしっくりくる。袖を眺める。竹の太さ、節、茶色のライン。全体として涼しげ。これにしよう。
富士屋のシャッターが下りかけている。おじいさんに声をかけ、さっきのを再び出して貰う。店仕舞した店の中で羽織り方、帯の閉め方を教わる。「こう、襟を掴んでだね。まず、右の腰骨の下に合わせて、それから、左を入れる。これは奥まで。それで右を合わせる。ほら、寄れずに真っすぐなってるだろ」(おぉ、ほんとだ)「帯はね、貝の口だよ。袴下はチンピラっぽくっていけねーよ」(そ、そうなのか)「半分に折る。2回回す。模様を上にして2回結ぶ。ほら」(おぉ。ぴったり!)「結び目は、真後ろに持ってきちゃダメだよ。ちょっとずらしておくのが粋なんだよ」(夏は近い。念のため、御腰紐も1つ購入。小物や履物は今度だな)
 
よしかみでドライカレーを食べ、紙袋を少し大げさに降りながら家路につく。
(よしかみの懐かしい味というのは、気にしなければ、ふつうの洋食とも言える。何だかバランスがいいのだ。濃くもなければくどくもない。程よく香ばしい。そんなとこが絶妙なのだ)
 
参考:「男のきもの指南: 男の着物買い物ガイド・浅草編
(6時にはほとんどのお店のシャッターが下りてしまう)