あわびととこぶし

先生からの回答
 
ようやく暖かくなってきましたが,
それに合わせて花粉がスクランブル発進しており,
苦しめられています.
 
さて,ご質問の件,
 
(1) あわびととこぶしの見分け方
まず,“あわび”“とこぶし”とはそもそも何かということを
知るのが出発点になります.
 
「ミミガイ科の貝のうち、大型になる種をアワビ,小型の種をトコブシと呼ぶ傾向がある.
日本産の種類については殻に開いた孔の数で区別できる(4〜5がアワビ,6〜9がトコブシ)が,
外国産のアワビには孔の数が多いものもある.このように,種類によってアワビやトコブシ
呼んでいるだけで分類学的な分け方ではない.築地市場でも,アワビ類の若い個体を
トコブシとして販売していることがある.
( http://www.touorosi-coop.jp/arekore/200306_awabi-tokobusi.html より)」
 
要するに,“あわび”“とこぶし”という呼称はそれぞれ数種を含む総称で,
大きいのがアワビ,小さいのがトコブシということです.トコブシは成長しても
殻長7〜8cmどまりですが,アワビといわれるものはおおむね10cm以上あります.
だから,一番簡単な見分け方は何かと聞かれれば,「大きさが違う」というのが
正解になりますが,もともとそれが呼称の定義なのだから当たり前といえます.
あと,上記にもあるように殻の孔の数が違いますが,アワビ類の若いのを
トコブシと呼ぶこともある,なんてことになってくると,「見分ける」意義が
よくわからなくなってきます.
切り身や料理になって元のサイズがわからない場合は,DNA鑑定でもしない限り
絶対区別不可能でしょう.姿煮のように全体の大きさが満足度の大きなファクター
となる料理に使用するケースを除けば,食材としての価値はまったく差がないと
(私は)思いますので,そういったことを鑑みた総合的な結論は下のようになります.
 
結論:大きいのがアワビ,小さいのがトコブシ
   でも「見分ける」ことに特に意味なし.
 
 
ずいぶん長くなってしまったので,(2) アンコウの不思議な生体(生殖)
についてはまたあらためてお答えすることにします.
それでわまた.