獺祭*1

秋桜

しとしとと打ち付ける雨音に耳をすませながら、つらつらと本や物思いに耽り夜長を過ごす。昼過ぎに起き出して蕎麦屋に向かう。
「お酒のメニューもらえますか?」
「獺祭を」
うすはりの猪口にゆっくりとそそぎ、鼻をくぐらせ、口に含み、喉奥へ。「あぁ」(今日は何もしないのだ) 箸につけた味噌を舐め、もう一献。
「牛蒡の天麩羅を」
もう一献。自分の中にうっとりとした気持ちだけをとどめようとする。
 
そして、蕎麦に山葵をつけ、つゆにくぐらせ喉奥へ。蕎麦湯に唐辛子を1つまみ。蕎麦茶の鼻に抜ける匂い。花屋で秋桜を1輪(歪んでるがすこしくかわいらしい)。
帰り際、蕎麦屋のおかみさんに粗品の七味をいただいた。*1

*1:ふっと思う。あせって何かを解決することなどないのだ。