第9地区*1

湯島の牛

ある日、家に帰り、ソファに座り、ふぅ
っと息をつきながら、テレビをつける。
よく見たことのあるようなドキュメンタリー番組
 
あぁ、南アフリカは何だか大変なんだね。
そうね。あれが来てから、もう、20年も経つからね*1
 
そんな調子で、今のある現実から、もう1つの世界へと連れて行かれる。
いや、どちらかと言えば、今の僕の方が映画のワンシーンに過ぎないのでは?
花びらを拾い集めてはつなぎ合わせるだけの僕。
 
SFというものは現実と虚構を繋ぎ合わせて溶かしてしまう*2
僕はよろめくようにして映画館を出た。いや、本当に出たのか?

*1:20年も経てば、いくら目新しいものでも「なんか邪魔な何か」に成り下がる。でも、「なんか邪魔な何か」は、よく見てみると...

*2:別にいい気持ちにさせてくれるとかそんなものじゃない。